こんばんは。パドラックの綾小路でございます。
@ITの谷川さんのブログで「SaaSの定義」という記事が公開されています。
このSaaSの定義は以前から、しっくり来ないというか、聞くたびにイライラする部分でした。ちょっといろいろ書いてみたいと思います。
そのイライラの原因はWikiのSaaSの定義からはじまっています。Wikiによると「SaaS」とは「Software as a Service(SaaS、サーズ)とはソフトウェアをサービスとして提供するソフトウェア販売の新しい形である。具体的には、従来の「ライセンシング」という形でパッケージソフトを販売し収入を得るのではなく、ソフトウェア機能をインターネットを通じて「サービス」として提供し、月額使用料というような形で収入を得る事業モデルである。」とある。
まぁ、当たり前の定義であり、あまり反論する人がいないような文章かもしれない。
しかし、今までいろいろとSaaSを見てきた人間としては、この定義ではたしてOKなのか!?という疑問が付きまとう。
インターネットをブラブラ歩くと、最近なんでもかんでもSaaSと言い始めそうな雰囲気をかもし出しているし、実際にSaaSをうたっているサービスは全てWikiの定義を正とすれば、当てはまっている。
でも、Wikiの定義でSaaSを語れば、SaaSとはASPが提供しているサービスのような感じに聞こえてしまいますが、本当にそれでいいのでしょうか?
SaaSはSoftware as a Serviceの略なので、「ソフトウェアを月額利用料課金で提供をしているサービス」という定義でよいのかもしれません。
しかし、もともとSaaSの発想はASPが提供していた単純なアプリケーションのサービス提供から脱した「SOAをベースとしたアプリケーションのサービス提供」だったと記憶していたのですが、いかがでしょうか?
そもそも私がイライラしているのは、せっかく新しい試み(SOAをベースとしたアプリケーションのサービス提供のこと)が生まれようとしていたはずなのに、時代に逆行したようなアプリケーションのサービス提供に定義を戻そうとしている動きが、なんとも行き詰まり感があっていらいらしますね。
ソフトウェア産業の発展を考えれば、メーカーオリエンテッドな産業構造から脱出し、真のカスタマー・オリエンテッドな産業になる事が必要です。
元もとのSaaSの定義に立ち帰れば、顧客にリスクを背負わせるようなライセンス購入(使ってみて良いかどうかも分からないのに、全額の負担を顧客に強いる料金体系は前時代的です)から、利用した分だけの支払いで済むサービス課金になり、さらに、顧客ニーズに合わせた機能の組み換えが出来るSOAが加われば、真のカスタマーオリエンテッドなソフトウェアが提供できるようになると思うのです。
そんな事を思っていたときに谷川さんのブログに出会い、まさにその通りと思っています。
以下、谷川さんのSaaSの定義から抜粋。
***
■マルチテナンシーであること
インターネット越しに多くのユーザーが1つ(あるいは複数)のサーバーを共有することで、コスト効率よくサービスが展開されている
■費用の支払い方がサブスクライブ方式
ライセンスは買い取り方式ではなく、利用した分だけを支払う方式を採用していること
■カスタマイズが可能
サーバーは共有はする形だが、すべてのユーザーが同じサービスを与えられるがままに利用するのではなく、簡単な設定や用意されたスクリプト言語などで自分用にカスタマイズが可能
***
まさにその通りだと思う。
さらに谷川さんの記事を読み進めるとSaaSの業界的なリーダーであるSalesforce.comのCMO(Chief Marketing Officer)Clarence So氏は「Salesforceの考えるSaaSの定義はと尋ねると、3番目のカスタマイズは必須条件ではない」と語ったそうです。
これには非常にガッカリですね。
単なるアプリケーションのサービス提供だけであれば、そんなに騒ぐ必要も無いし、今更って感じがする。
単純に言葉を変えて、また顧客を騙すつもりなのでしょうか?
だれか、まともなSaaS提供をするような人はいないものだろうか。
本質的な革新を実現して、そのキーワードとともに製品・サービスを提供していくのがスジだと思う。以前から提供しているものに対し言葉を変えてアプローチするのは、マーケ手法的にはありかもしれないけど、ソフトウェア会社の戦略としては末期的といわざるを得ない。














Comments